2008年11月2日日曜日

ガンダムを作った男 富野由悠季

本物のコンテンツを作るということの本質だと思う。
さすがガンダムという普及の名作を作った人だなぁ。
久しぶりに感動した。


「お前らの作品は所詮コピーだ」――富野由悠季さん、プロ論を語る

ルックスの良さでごまかされていませんか

 この会場のブースを見て思ったのは、みなさんがたが、なまじ現在の技術を手に入れてしまったのでかなりきれいにまとまっているのだが、力が見えないんです。メジャーになるサムシングがない。

 そのサムシングは「俺が、私が一番やりたかったのはこれなんだ」というものが張り付いていない気がします。特にCGは手描きよりきれいに仕上がりすぎます。ルックスの良さでごまかされていませんか、ということがすごく気になっています。

 そうなると「これ描くのに1カ月かかったかもしれない」という鉛筆の線の方が力ある。PCのコピーで済ましているようなものとの違いは何なんだというと、生身の皮膚感を持った作品には勝てません。デジタルワークの一番恐い部分は、きれいになってしまう、動きが良くなってしまうことでごまかされていることです。

 出資者という素人はアート、作りのことを知りません。「大手メーカーのCMのようなルックスだからいいよね」ということでOKを出す。それは所詮、その時代の判定でしかありません。それでは突破できないということは言える。

きれいなだけのものはすぐに飽きる

 客は徹底的に素人です。素人は絶対に自分の好みを揺るがしにしませんから。きれいな絵、きれいなねーちゃん、きれいなヌード……きれいなもの、ぱっと見れば見た瞬間は気持ちいいです。が、2回見ますか? 不思議と2回、3回見ていいものは、きれいなだけのものでは絶対にないんですよ。そこは忘れていただきたくない。

 われわれの世代で好きな言葉に「魂を入れる」という言葉がありますが、魂というような面倒な言葉は今日は使いません。

 おそらく、クリエイター、アーティスト、作り手が生身に持っている「俺はこれが絶対なんだよね、お前ら!! これ!」というものが封じ込められていないものは、どんなきれいなキャラクターやストーリーを作ろう、やはりだめなんじゃないのかな。

フィールドを手に入れよ

一番目指さなくちゃいけないのは、34~35までに、40になってもいいと思うけど、パートナーを見つけるべきだということです。もっと重要なのは、その人とキャッチボールができるフィールドを手に入れていくこと。

 ビジネスを大きくしたいなら、そこで必要なのはチームワーク。悔しいけど相手の技量を認めるということです。僕は例えば安彦君の技量は全部認めます。あの人の人格は全部認めません。大河原さんの技量は認めません。大河原タッチは大嫌いです。でもそれは絵のタッチのこと、デザインはまた別です。「惚れたら全部正義」と思うのがいけない。何を取り入れて何を捨てるか、ということをしなくてはならないんです。

 僕の場合はサンライズという制作者集団があって、その上にフリーの人間が乗っかって1つの作品を作るという構造があったから良かったと思います。 1人の人間の365日の生活費を保障するのはとても大変なことです。ですからそういう関係でない、スタジオワークを完成させていくということはとても大事なことです。


自分が手の届く範囲のことを一生懸命やれ


まさか僕は70近くになってこんなふうに話ができるような身分になれると思ってなかったんです。40年前、30年……20年前までそうでした。税務署で「アニメの演出」と言うと「何やってるんですか」としょっちゅう言われましたから。そういうことから考えたらめでたいと思っています。

 めでたさを自分のために手に入れるにはどうすればいいか。宮崎駿さんがある講演会で言っていた、同じことを言わせてもらいます。「自分が手の届く範囲のことを一生懸命やることが一番の宝だ」というのは本当だと思います。年寄りの忠告になるんですけど、それを信じてやってほしい。どういうことかというと、男の人に特に言うが、エロサイト見てる暇あったら自分の技量を磨け。